風俗嬢にとって性病は大きな悩みのタネ。「性病だけにはかかりたくない」と思っている人は多いでしょう。実はキスだけでも性病に感染する可能性があることをご存知でしたか?「コンドームをつけてるから大丈夫」という考え方は要注意です。

今回はキスで感染する可能性のある性病と、性病治療に関する基礎知識、性病の予防方法をまとめました。

目次
  1. 1. キスで性病に感染する仕組み
  2. 2. すぐに取り組める風俗嬢の性病対策
  3. 3. キス無しで働ける風俗店
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キスで性病に感染する仕組み

性病は性器に感染するものだと思われていますが、実は口やのどに感染することもあります。たとえば、性病に感染した性器にフェラチオやイラマチオなどをした場合、咽頭クラミジアや咽頭淋病などに感染する恐れがあります。

そして、こういったのどの性病に感染している人とキスをした場合、唾液を介して自分も性病に感染してしまう恐れがあるのです。具体的には、口唇ヘルペスはフレンチキスだけでも感染する可能性がありますし、梅毒もキスだけで感染する可能性があります。

キスで感染する確率は、オーラルセックスやセックスに比べればずっと低いのですが、それでも多くのお客さんとキスをする風俗嬢にとっては見過ごせない問題ですよね。

キスで感染する可能性のある性病


キスで感染する可能性がある性病は以下の通りです。

・口唇ヘルペス
・咽頭クラミジア
・咽頭淋病
・梅毒
・キス病
・B型肝炎

それぞれについて詳しくみていきましょう。

口唇ヘルペス


ヘルペスは、ヘルペスウイルスに感染することで発症する性病を指し、唇にできるヘルペスのことを口唇ヘルペスと言います。ヘルペスウイルスは、子供のころに感染することが多く、ウイルスが一生体から抜けないため、感染率が非常に高いの特徴です。成人男性の50%以上、70代以上ではほぼ100%というデータもあります。

症状・特徴

口唇ヘルペスを発症すると、唇に水ぶくれができます。小さな水ぶくれが集まった特徴的な形をしており、風邪をひいたりすると出てくることから「熱の華」「風邪の華」などともよばれます。ヘルペスウイルスの感染後、ストレスや身体的な疲れが要因となり水膨れが出てきます。一度感染するとウイルスが体から抜けないため、免疫が低下する度に発症するという厄介な存在です。

潜伏期間

ヘルペスウイルスに感染すると、「三叉神経節」という部分にウイルスが住み着きます。この状態を潜伏感染と言い、免疫が低下するとヘルペスウイルスが暴れだして口唇ヘルペスを発症・再発します。

検査方法

多くの場合、病院での問診・触診・視診によって検査します。場合によっては細胞の顕微鏡観察や、採血で検査する場合もあります。

治療法

ヘルペスウイルスは身体から抜けないため、原因を取り除くことができません。そのため、根本的な治療方法はなく、発症した際に抗ヘルペスウイルス薬を使い、ウイルスの増加・症状を抑える対症療法が主になります。

抗ヘルペスウイルス薬には、塗布するタイプや内服薬があります。また、二次感染を防ぐために抗生物質が処方されることもあります。適切に処置した場合、水ぶくれができてから1週間以内にかさぶたになり剥がれていきます。

なお、水膨れにはウイルスがつまっているので、潰れると別の部分に感染が広がります。患部は触らないようにしましょう。また、同居人がいる場合は、感染防止のためにタオルや食器等の共有をやめるのが大切です。

咽頭クラミジア


咽頭クラミジアは、のど(咽頭)がクラミジアウイルスに感染する性病です。近年増加傾向にある感染症です。症状が出にくく、気付かない人が多い感染症のひとつ。風邪のような症状が特徴で、風邪と間違えてそのまま放置してしまう人が多いです。

症状・特徴

症状は主に、風邪のようなのどの痛み、腫れ、咳、発熱などです。のどの見た目には変化が現れないことが多く、これも放置してしまう原因となっています。放置した場合、悪化して咽頭炎や扁桃腺炎を発症する可能性があります。

潜伏期間

潜伏期間は大体1週間~3週間となります。

検査方法

のどの粘膜を綿棒で採取する検査や、うがい液を検体とする検査が主流です。病院に行って検査するほか、郵送の検査キットを使って確認することも可能です。

治療法

抗生物質を内服することでウイルスを撃退できます。抗生物質の服用開始から1週間程度で、ほとんどの場合症状が治まります。治療が終了してから1カ月程度期間を置き、再検査でウイルスがいなくなったことが確認できれば完治となります。

咽頭淋病


性病としてよく知られている淋病も、咽頭に感染することがあります。淋病は淋菌に感染することで発症する感染症です。近年感染者が増加傾向にある感染症のひとつです。オーラルセックスをしていなくても、淋病に感染した10%~30%の確率で咽頭淋病になります。

症状・特徴

症状は咽頭クラミジアとほぼ同じです。のどの痛み、腫れ、咳、発熱などの風邪に近い症状が現れます。見た目に変化はなく、悪化すると咽頭炎や扁桃腺炎になる可能性があります。

潜伏期間

潜伏期間は短く、2~7日となります。

検査方法

咽頭クラミジアと同様、のどの粘膜の採取、うがい液を使った検査方法が主流です。

治療法

病院で抗生剤を点滴してもらう治療法が一般的です。ほとんどの場合、1回の点滴で淋菌は死滅します。治療時間も30分程度。ただし、クラミジア等他の性病に感染していたり、合併症があったりする場合もあるので、治療薬が別途処方されることもあります。治療後1ヶ月程度様子を見て、菌が検出されなければ完治となります。

梅毒


梅毒トレポネ−マに感染することで発症する感染症です。適切な治療を受けなければ完治することがなく、放置しておくと体内のあらゆる臓器が腐り、死んでしまうこともある恐ろしい感染症です。1960年代に急速に感染者が減りその後感染者数は低い水準を保っていましたが、近年20代の男女を中心に増加傾向にあります。
症状・特徴

梅毒は症状が出たり消えたりするのが特徴で、一時的に症状が消えてしまうことから処置が遅れやすくなるケースが多いです。症状は、大きく4段階に分けられます。

1. 第1期梅毒…感染から約3週間後
感染した箇所に小さなしこりができます。硬さは軟骨程度で、痛みがないことが多いですが、痛みを感じる場合もあります。また、太ももの付け根にあるリンパ節が腫れます。これらは放置していると、2~3週間程度で消えてしまいます。

2. 第2期梅毒…感染から約3ヶ月後
全身に様々な症状が現れ始めます。

・手のひらや足の裏の発疹
・バラ疹
・肛門・性器周辺のイボ
・のどの奥の腫れ
・髪の毛や眉毛の脱毛

これらの症状は、発症から3ヶ月~3年間続き、その後症状がいったん消えます。

3. 第3期梅毒…感染から約3年
ゴム腫と言われる大きめのしこりが現れます。

4. 末期梅毒…感染から数年~数十年後
末期になると、神経にまで障害が及び、心臓・血管・目などに重い障害が生じます。その後症状が悪化すれば死亡する可能性もあります。

潜伏期間

上記の通り、梅毒は末期症状に至るまでに数年から数十年を要します。症状が出たり消えたりするため、治ったと勘違いして治療のタイミングが遅くなることが多いです。感染から3週間程度で現れる最初の症状の段階で、思い当たる節があれば必ず病院を受診しましょう。

検査方法

病院での問診・視診、女性の場合は内診と、血液検査での判定が一般的です。梅毒検査は、感染から4週間以上経過している必要があります。疑わしい接触の後4週間経過していれば、まだ症状が出ていない状態でも検査できます。

治療法

梅毒は、主にペニシリンの服用のみで完治します。ただし、治療期間は長めです。梅毒の進行度合いによって治療期間が異なります。

第1期梅毒…2〜4週間
第2期梅毒…4〜8週間
第3期梅毒以上…8〜12週間

症状が引いた後も、しばらく定期的に検査を行い、完治したかどうかを確認する必要があります。

キス病


キス病とは、正式名称「伝染性単核球症」という感染症です。主にキスによって移ることから「キス病」と呼ばれています。ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスに感染することが原因で発症します。EBウイルスは唾液に含まれているため、キスの他、回し飲み、箸の使い回しなどでも感染することがあります。

症状・特徴

乳幼児の段階で感染すると軽傷で済みやすいですが、大人になってから感染すると重症化しやすいのが特徴です。主な症状としては、以下のようなものがあります。

・高熱
・全身の倦怠感
・疲労感
・のどの腫れや痛み
・全身のリンパ節の腫れ・痛み
・発疹

症状によっても続く期間は異なりますが、倦怠感にいたっては数カ月続く場合もあります。

潜伏期間

潜伏期間は長く、ウイルスに感染してから4週間以上経ってから症状が現れ始めます。

検査方法

血液検査で、症状の原因となっているウイルスを特定する検査が一般的です。また、ウイルスによって内臓機能に影響が出ることがあるので、そちらも血液検査を必要とする場合があります。

治療法

早期に回復させるための有効な治療法はなく、自然治癒を待つ形になります。自然治癒までの期間は4~6週間程度です。ただし、自然治癒までの間に症状がひどくなり、水分補給や食事ができなくなるような場合には、点滴などを行います。

B型肝炎


B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することで引き起こされる肝臓の炎症です。他の性病と違い性器に異常が出ないため、性病というイメージが薄いと思いますが、性交渉によって感染する立派な性病です。全世界で3億5千万人以上が感染していると言われ、日本でも150万人ほどが感染しているといわれます。軽いキス程度では感染しないと言われていますが、ディープキスでの感染報告がされています。

症状・特徴

ウイルスに感染すると、肝炎を起こします。免疫が正常な場合は時間の経過とともに排除されますが、数%の確率で持続感染を起こします。持続感染を起こすと、慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどに進展する恐れがあります。

ウイルスにより急性肝炎を引き起こした場合、まず倦怠感・吐き気・食欲不振などの症状が現れ、皮膚や眼球が黄色くなるという特徴があります。

潜伏期間

B型肝炎ウイルス感染後、数カ月間の潜伏期間を経て発症します。

検査方法

B型肝炎ウイルスの検査は、ほとんどの医療機関で受けることができます。一般的な方法は血液検査による「B型肝炎ウイルスマーカー検査」です。検査が陽性だった場合は、肝臓の専門医に相談することになります。

治療法

急性肝炎の場合、特別な治療はほとんどのケースで必要ないとされています。食欲不振では点滴などが行われる場合がありますが、基本的には特別な投薬や治療はせずに、自然にウイルスが排除されるのを待つことになります。ただし劇症肝炎になると死亡する恐れもあるため、慎重な経過観察が必要です。

一方持続感染した慢性肝炎の場合、ウイルスは体内から完全排除できないことが分かっています。そのため、肝炎を悪化させないことや、肝硬変、肝がんに進展させないことが治療目的になります。治療方法は、抗ウイルス療法、肝庇護療法、免疫療法などが一般的です。

HIVはキスでは感染しにくい


性病としてもっとも有名な「エイズ」。風俗で働くにあたっては特に注意したい感染症ですが、原因となるHIVはキスでは移りにくいのが特徴です。HIVの感染経路となるのは「血液」「精液」「膣分泌液」のみで、唾液では感染しないため、通常キスで移ることはありません。

すぐに取り組める風俗嬢の性病対策

キスで感染する可能性があると言っても、性病の多くはセックスやオーラルセックスなどで感染します。キスに注目する前に、一般的な性病対策を万全にしておくことが大切です。風俗では性病になってしまうと収入減も断たれてしまうので、できる限りの対策はしておきたいところです。今日からできる性病対策をまとめました。

プレイ前後のシャワーの徹底


性器や皮膚、口の中などには、感染症の原因となるウイルス等が付着しています。そのため、プレイ前には必ずシャワーを浴びて、自分とお客さんの体をしっかり洗うようにしましょう。

また、口の中のウイルスを除去するために、プレイ前の歯磨きも大切です。口の中が傷ついてしまった場合、そこから感染する可能性があるため、歯磨きする際には強く磨きすぎないように注意が必要です。

お客さんの性器をよく観察する


シャワーを浴びる際に、お客さんの性器をよくチェックしましょう。ブツブツやイボイボができている、潰瘍のようなものがある、膿が出ているなどの場合、何かしらの性病に感染している可能性が高いです。

また、シャワーを浴びる前にお客さんの下着をたたむ体で、下着のチェックもあわせてしてみましょう。性器は問題なさそうに見えても、下着に膿などがついている場合があります。そのほか、お客さんがしきりに陰毛周辺を掻いている場合なども注意が必要です。

できるだけコンドームを着用する


性病感染が疑わしいお客さんとのプレイの際は、極力コンドームをつけるようにしましょう。たとえば素股、フェラチオなどをする時もコンドームをした方が安心です。お客さんはあまりいい顔をしないかもしれませんが、自分の身を守ることが優先。無理に生でのプレイを要求してくるようであれば、お店へ相談するのが賢明です。

また、オーラルセックス用のコンドームを使用するのも一つです。オーラルセックス用コンドームは、薄くて食べられる潤滑剤を使用しています。ゴムフェラの不快感も防げますし、お客さんも普通のコンドームより快感が得られるため、仕事道具の中に入れておくといざという時に安心です。

仕事終わりに膣洗浄をする


感染の可能性をできる限り抑えるために、仕事終わりに膣洗浄をするのもおすすめです。膣洗浄器には、大きくビデタイプとジェルタイプがありますが、どちらも洗浄や膣内の環境を清潔に保つことが目的です。使い切りタイプで、ワンプッシュで手軽に使えるようになっていますし、サイズが小さいのでバックに入れて持ち運べます。1つ常備しておくと安心です。

疑わしいお客さんとのプレイ後はすぐに検査


お店で性病検査を実施していることも多いと思いますが、疑わしいお客さんとのプレイ後はできるだけ早く検査するのがおすすめです。性病自体の対策にはなりませんが、お客さんとキャストに感染が広がってしまうことを防げます。

指名客を増やす


風俗店には毎日新規客が訪れますが、新規客は他の風俗店で遊んだ際に性病をもらっている可能性があります。男性客は一度お気に入りの風俗嬢を見つけると、しばらく同じ嬢を指名し続けることが多いので、指名客を増やすことは性病予防にも役立ちます。

このほかにも性病の種類はさまざまです。各性病に関する対策や予防方法は以下の記事でまとめているので、ぜひこちらもご覧ください。

デリヘル・ソープ嬢は性病対策・予防方法の徹底と効果的な方法まとめ
性病・性感染症の検査・治療法をわかりやすく!風俗ワークの必須知識

キス無しで働ける風俗店

極力性病の感染のリスクを抑えたいのであれば、キスなしのお店で働くのもおすすめです。キスがサービスに含まれないお店には、以下のようなものがあります。

オナクラ
エステ
SMクラブ

オナクラ


オナクラとは「オナニークラブ」の略で、風俗の中でももっともソフトサービスと言われる業種です。舐めたり脱いだり触られたりすることがなく、キスも基本サービスには入っていません。基本サービスは、お客さんのオナニーのおかずになること。エッチなポーズをとったり、言葉責めをしたりしてお客さんを興奮させます。

ただし昨今は、手コキが基本サービスに含まれているお店や、トップレスやキスなどのオプションがついているお店が主流です。オプションの種類は非常に豊富で、できる範囲が広いほど稼ぎやすくなります。面接時にオプションでできる範囲を自分で決められるので、接触が多いオプションはできるだけ避けるようにすると良いでしょう。

エステ


エステは、マッサージ+手コキのお店です。アロマオイルなどを使ってお客さんの全身をマッサージし、最後に手コキをして射精させます。性サービスのテクニックだけでなく、マッサージの技術が身につく点もメリット。技術を磨いて、マッサージ師やエステティシャンに転身することもできるでしょう。

風俗エステはオナクラと同じく、キスやトップレスがオプションとなっています。オプションNGにすればキスをせずに働けます。

SMクラブ


SMクラブの女王様は、男性客(奴隷)を鞭で叩いたり、ろうそくを垂らしたり、金玉を蹴り上げたりといった特殊なサービスがメインで、キスや手コキなどの一般的な性サービスをほとんどしません。脱ぐこともないため、性病感染したくない人にはおすすめの仕事です。

ただし、自分のウンコやオシッコを食べさせたり、アナルに手や腕を突っ込んだりと、かなりハードなプレイもあるので注意が必要です。

まとめ

キスで感染してしまう性病もありますが、確率自体は低いです。風俗で働く際は、一般的な性病対策をきっちりすることが大切。お客さんとの接触を極力減らしたいのであれば、オナクラやエステ、SMクラブで働くことも検討してみましょう。